あらすじ浅草に夏がやってきた。和菓子は涼を求められる季節である。水無月、氷室、若鮎。そのうちのひとつ、清流の美を表現する若鮎を作ることになった栗田。これが富樫との思いもよらぬ邂逅をもたらす。はたして、彼の真意とは? いっぽう、若者の季節の到来に、それぞれの想いが交錯する。栗田は彼女らの想いを受けとめ、応えていくために奮闘するのだった。葵に影のようにまとわりつく過去の亡霊、富樫と決着をつけるべく。かけがえのない時をともに歩んできた由加が、新たな一歩を笑顔で踏み出せるように。物語はいよいよ佳境へ。