「カリルさま、あなたは実は先代の王のご息女なのです」ある日突然訪れた使者により、あたしは王女として王宮に迎えられた。でもそんなのはたいしたことじゃなかった。問題なのは、王宮どころか王都がまるごと“神かくし”にあってしまったことだ―最愛の義妹ごと。義妹をとりもどすため、あたしの旅は始まった。途中知り合ったバトリー、エスト、コリン、そして謎の美少女アンジェラの助力を得て、あたしは犯人と目される“沼地の魔道師”のもとをめざす。いったい奴の狙いはなに。事件の裏には王族に流れるという「アミュールの血」がからんでいるらしいのだが…。『君が夢、河を上りて』につづいて贈る、成熟のキラメキ・ファンタジー。