「せっかく手に入れた新しい器―喰われてたまるか」数分前まで姉ユピテルだったはずの銀色の獣は無表情に少年を見下ろしていた…。はぐれ異術師の少女ユピテルと弟ラッセル。気の強い姉と気弱な弟の二人が軽い気持ちから引き受けた擬獣退治が姉弟の運命を大きく変えてしまった。なんと、退治したユピテルと退治されたメルティアが合体してしまったのだ。昼はユピテル、夜は疑似人間メルティアという存在になった彼女(ら?)は奇妙な事件に巻き込まれる。最初は単なる連続猟奇殺人と思われていた事件が、この世界の覇権をめぐる闘いへと転がり出していく。