王国は魔族との関係性を踏まえ、五年に一度行われる帝国への親善訪問をより短いスパンで、より有意義なものとすべく、新たに親善友好団を創設した。団長にはヴァルド王太子が就き、付き添いの若き大貴族としてヴェルが選ばれ、一行は帝国へ赴く。だが蓋をあけてみれば、そんな大義名分とは裏腹に、ヴェルへ親善友好団参加という休暇を与え、親密になりたいヴァルドと、ヴェルと昆虫採集に勤しむペーターの姿がそこにあった。一方、新しい魔族の国を作るべく旅立ったオットーたちは、古代魔法文明の遺産を求め帝国の北、極北の大地へとたどり着いていた。人も魔族も住めないこの手つかずの大地に、世界を統べるための遺産が眠っていると信じて・・・・・・。そして親善友好団の日程を終えたヴェルたちもまた、極北の大地へ向かった。王国、帝国、ともにこの地の調査と、氷の下に眠る魔道具の入手が目的だというが、はたして・・・・・・。偶然にも名だたる曲者たちが集ってしまったこの極寒の地より、新たな物語が動き出す!