(まえがきより)また出てしまったのである。私の血と冷汗と鼻水交じりの涙が詰まった、この「嫁からの迫害レポート」とも言える単行本が再び出るのである。思えばちょうど1年前。単行本『我が妻との闘争 極寒の食卓編』制作での徹夜続きの作業で火の大八車だった頃、まったく冴えない、うだつの上がらぬ、取るべき所がなにもない、まるで食い散らかされた手羽先の残骸のようなサラリーマンの私であったが、心の中は光り輝く希望に満ち溢れていた。リアルな世界では上司に怒られっ放しのリストラ候補アカマル急上昇中である男が、人の知らぬところでは嫁からの虐待をバネに告発文をせっせと書き、それがなんと本になる。サラリーマンには世知辛い世の中、久しぶりに明るいニュースではないか。