あらすじ生計のためいかがわしい下宿人たちに居間を明け渡し、女中部屋と子供部屋に逼塞する一家――旧軍人の老いた父と家政の下手な母親を眺めつつ過す僕の暗い青春の日日と鬱屈した心情を描く「未成年」、知能の遅れた兄を持つ弟の哀しみを精緻に写した、デビュー作「子供部屋」など、透徹した描写に瑞々しい感性をたたえて、文学の香り高い初期作品7篇を収める、著者の第一作品集。