あらすじ築三十三年、六畳一間、家賃は三万三千円也。吉祥寺幸荘には極貧ながらも明日を信じる若き芸術家たちが暮らしている。小説家志望の吉岡は二十四歳にして童貞。女性経験の無さからくる劣等感に苛まれ、悶々とした日々を過ごしている。ある日、知人から佐和子さんという女性を紹介される。どこか儚さを感じさせる彼女の美貌に、吉岡は一目惚れしてしまい……。行き場の無い熱情と、空回りする自意識。誰もが通過してきたあのほろ苦き日々。夢を信じ、走り続ける若者たちの熱き想いを綴った青春群像。