あらすじ林の中の古びた洋館――それが私立野々宮図書館だ。ここに所蔵されている本は、どれも犯罪や事件に関係のあった本ばかり。殺人現場で被害者が抱いていた本や、連続殺人犯が愛読していた本、首吊り自殺の踏み台として使われた本など……。この一風変わった図書館に住み込みで勤めることになった松永三記子。彼女が書庫の本を手に取ると、その本にまつわる不思議な出来事が次々と起こるのだった。一冊の「本」が引き起こす様々な事件を描く連作小説集。