「言うことなし。ありがとう」2010年5月、死を目前にした父(当時84歳)が私たち家族に言ってくれた言葉です。父は自宅で息を引き取りました。8割以上の人が医療機関で亡くなる現在の日本にあっては、珍しいことといえます。そのきっかけは、「病院はいやだ。早く家に帰りたい」という父の言葉でした。父がそれほどまでに「家に帰りたい」なら、なんとか応えたいという想いで、在宅介護をやってみることにしたのです。~以上、本書より抜粋~
この本は、「家で看取るためのノウハウ」を患者サイドの実体験に基づき整理したものです。著者が在宅介護の末に父親を看取ったときには「今どき家族に看取られて死ねるなんて羨ましい」という声さえ聞かれたそうです。本書では、こうした著者の体験をもとに、普段の暮らしを続けながら、在宅介護をするにはどうしたらよいのかを伝えます。