アンナ先生の基礎のプライベートレッスンをoutすると、憧れのミュージャンのレッスンが受けられる。そのためには、すべての音階を12のキーでできること、すべての伴奏のパターンを12のキーでできること、ジャズで最も大切なブルース、リズムチェンジの曲を選び12のキーで演奏できること、など基礎クラスで習った知識を試す実技試験がある。
12のキーとはB♭、E♭、A♭、D♭、G♭、B、E、A、D、G、C、F。
そう、この連載の順番と同じなのだ。
ジャズができていない。
リズムチェンジを知らない。
試験を棄権する。
オーディションに落ちる。
でも、ひとつひとつ、クリアしてきた。
仲間もできた。
ジャズの「音」が「楽」しめるようになってきた。
今回は「F」。連載も卒業になる。
NYジャズ武者修行に愛犬「ぴ」と二人きりでニューアーク空港に降り立ったときから2年。「9 th Note最終章」はまた旅のはじまりでもある。【読了時間 約25分】
大江千里・おおえせんり■1960年9月6日大阪生まれ。1983年デビュー。2008年、ジャズピアニストを目指し相棒(ダックスフント♀)を連れてNYの音楽大学へ留学。ジャズアルバム『boys mature slow』『Spooky Hotel』をリリース。東京ジャズフェスティバルには2年連続出演。現在は米国内で積極的なライブ活動を展開中。NYジャズ留学の前半を綴った「9th Note」シリーズ、後半を綴った「13 th Note」シリーズ、「僕の家」シリーズを電子書籍で配信中。