「ピアノを弾いてはダメですよ」NYのカイロプラクティックの先生はそう言った。
50歳を目前にして、ニューヨークへガチでジャズ留学を決行した大江千里。
20代のクラスメイトたちと切磋琢磨したものの最初の期末テストで腕が動かなくなってしまう。
断腸の思いでテストをパス。日本で検査したが原因はわからなかった。
夏休みの大学で、音楽を聴くことに専念してみると、「ジャズ」と格闘ばかりしていて、「音」を「楽」しむことを忘れていた自分に気づく。
気分を変えよう。
日本から来た、たちなみと一緒にアリゾナドライブへ。NYジャズ修行第5弾は、グランドキャニオン、サウスリム、セドナ、アンテロープを巡るスピリチュアルトリップ。BGMはカーラジオから聞こえてくるカントリーミュージック。【読了時間 約23分】
大江千里・おおえせんり■1960年9月6日大阪生まれ。1983年デビュー。2008年、ジャズピアニストを目指し相棒(ダックスフント♀)を連れてNYの音楽大学へ留学。ジャズアルバム『boys mature slow』『Spooky Hotel』をリリース。東京ジャズフェスティバルには2年連続出演。現在は米国内で積極的なライブ活動を展開中。NYジャズ留学の前半を綴った「9th Note」シリーズ、後半を綴った「13 th Note」シリーズ、「僕の家」シリーズを電子書籍で配信中。