千里の場合、ポップスが骨まで身についているから、まずは「ジャズのノリ」を身につけることね。
個人レッスンのジュリア先生は、そう言った。
春学期の最大イベント、リスニングセッション(発表会)がやってくる。
その前には中間試験。
ジャズの生き字引、ビル・キルヒナーの「ジャズの歴史」の授業も面白い。
肩や背中の筋肉も強化したい。やるべきことが目白押しだ。
僕らはにわかジャズバンドを結成し、練習にいそしんだ。
曲は「ナイト・ドリーマー」「ブラック・ナイル」、そして、ピーターのオリジナル。
ところが、ときどき、指の感覚がなくなることがあった…。
50歳目前にしてNY音楽大学に留学した大江千里。
ジャズ武者修行第4弾のテーマ曲はレッド・ガーランド「アイ・ガット・リズム」【読了時間 約28分】
大江千里・おおえせんり■1960年9月6日大阪生まれ。1983年デビュー。2008年、ジャズピアニストを目指し相棒(ダックスフント♀)を連れてNYの音楽大学へ留学。ジャズアルバム『boys mature slow』『Spooky Hotel』をリリース。東京ジャズフェスティバルには2年連続出演。現在は米国内で積極的なライブ活動を展開中。NYジャズ留学の前半を綴った「9th Note」シリーズ、後半を綴った「13 th Note」シリーズ、「僕の家」シリーズを電子書籍で配信中。