あらすじ(ボクが動揺するとよくないことがおきてしまう。よくないことはボクだけにとどまらない。世界がよくないほうへとバランスを崩してしまう。少しずつ……世界から見ればほんのわずかかもしれない。でもそれで不幸になってしまった人はきっと) ――自分の好奇心を体の奥底に閉じ込め、心の揺れを極端に恐れ誰とも深くかかわらないときめた西村祐胡(ゆうこ)。彼はクラスメートからは若くして悟っているクールなやつと思われている。そんな彼の前に現れるのは……。清水マリコが描く、日常に潜むせつなくも甘い迷宮の連作短編集。