混沌の明の時代。高名な官僚であった陽明学者の呂坤が、役人たちとぶつかって官職を辞し、田畑を耕しながら30年かけて綴った「人間とはどうあるべきか、人生をどう生きるべきか」を説く一冊。日本でも大塩平八郎など多くの先人に影響を与えた。
「修身とは、まずは、長所を伸ばしながら、短所をそのままにしないことである。人は、短所に逆らい、従わないようにするならば、長所も日ごとに伸びる。」「厚みがあって、どっしりと、深い落ち着き、是が第一等、気が大きく強い、是が第二等、聡明で弁が立つ、是は第三等の資質である。」など、人生を諭す言葉をやさしく解説する入門書。
【目次】
はじめに
[内篇]
性命─人間の本性と運命について─
存心─正しい心のあり方とは─
倫理─人間道徳の基本─
談道─孔子の道を規範とする─
修身─身を修めるための方法─
問学─切磋琢磨して学ぶ─
応務─対人関係で大切なこと─
養生─健康長寿のために─
[外篇]
天地─世界は何でできているのか─
世運─世の流れへの対処法─
聖賢─聖人賢者も修養努力する─
品藻─人間の品格とは─
治道─統治の理念と方法─
人情─日々の暮らしの心がけ─
物理─万事万物の理─
広喩─比喩で表す真実─
詞章─文章作成の秘訣とは─
『呻吟語』をめぐって
一、『呻吟語』と『菜根譚』─中国二大処世訓─
二、呂新吾と科挙─合格者名簿に名が見えないのはなぜ─
関係略年表
参考文献
あとがき
主要語句索引