強大な力を持つ部族イムトの戦士たちが、少数部族ヌクトの村を急襲した。原因はヌクトが近くの浜からこっそり採集していた、白く美しい真珠にあった。その真珠をあらいざらい掠奪してしまおうというのだ。だが、そのありかを白状しないヌクトに、戦士たちが殺りくの刃をふるおうとした寸前「武器を手に平和を乱す者、立ち去れ」と、天からの声があった。聖なる地〈ラ・ムー〉を目ざし、放浪の旅を続けるアム族が、モアイ族の念力によって空を飛ぶ草舟で現われたのだ。危機を救い、神とあがめられる彼らはヌクトの住む浜こそ〈ラ・ムー〉にちがいないと、国家建設の第一歩を踏み出した。南太平洋に超大文明を築いたムー大陸2000年の歴史の幕が、いま開かれたのだ。