1900年、清朝末期の中国で、魔神の 「金剛力」 を秘めた子を産む運命を背負う 「桃源公主」 が産声をあげた。「香桃」 と名付けられた彼女は、神秘教団 「義和団」 の村で育つが、彼女を狙う清の将軍袁世凱の軍が村を襲撃する。だが香桃は村に潜んでいた旧長岡藩士鬼頭周蔵の機転で日本に亡命した。時は流れて1914年、浅草で占い小屋を営む書生、宇佐美俊介のもとに侍装束の少女が現れ、彼の占い札に妖力が宿っていることを告げる。彼女の正体は成長した香桃だった――。日本近代、辛亥革命、そして世界大戦――激動の極東に渦巻く謀略の最中に繰り広げられる歴史伝奇浪漫!