あらすじ永禄七年、信長は山深い二ノ宮山に城を築き、清洲から移って居城とするふれを出した。「これは難儀なこと」「美濃攻めにはかえって不便、小牧山へ移るべきだ」と家中、上も下も皆不平であった。ある日、信長は重臣たちに二ノ宮山への移転をやめ小牧山に移ると申し渡した。家中一般大喜び。苦労ではあるが、二ノ宮山にくらべればものの数ではない。人々は軽々と引き移った。「活殺自在」居城移転の大事を安々と進める信長の智謀に藤吉郎は舌を巻いた。