あらすじ「曲者をしとめたぞ!」 栃尾城内の夜気を、城主景虎の若い声が貫いた。曲者は兄晴景が景虎暗殺のために放った忍びだった。景虎はついに兄との戦いを決意、その軍を破り、兄に代わって春日山に入城、20歳で長尾家当主となった。 その年の5月、越後守護上杉定実が病死、その葬儀に不参の長尾房景の心中を疑った景虎は、宇佐美定行の勧めで、姉綾を房景の息子政景に輿入れさせることを決めて、和睦を図った。 カバーイラスト/熊谷博人