あらすじ昭和9年に丹那トンネルが開通、室伏雄一郎は助役になった。中国大陸における戦火が拡大していく中、姉はると伊藤栄吉の婚儀が北海道で挙げられるが、これが北海道での明るい最後の祝事であった。新婚早々の栄吉が、妹の夫が、そして雄一郎が、次々に出征し、大陸に渡る。戦火が室伏の平和な家庭を、幾十万の平和な家庭をずたずたに引き裂いていったのである。