大陸で最も古い歴史を持ち、“闇を知らない都”と讃えられるアステ・カイデ。世界の中心とも言うべきこの都に、運命の人ティーエはいた。滅亡の危機に瀕した大陸を救う――自らに課せられたこの宿命をいかに成し遂げるか――この都でその方法を探ろうというのである。生活の糧を得るために占い師稼業を始めたティーエは、しかし、たちまち都の権力者の関心を引いてしまう。客の一人が“ロオヌの秘薬”を使って暗殺を企てていることをティーエは言い当てた。その客というのが、次期皇帝候補とも噂される第三侯バタナルの側近だったのである。そして、この一件をきっかけにティーエは思わぬ事件へと巻き込まれてゆく。紫緑の瞳に新たなる決意を灯して、運命の人ティーエの新たなる旅が始まる。超人気の大河ロマン、堂々第十部の登場。