新イタール公国公女ラクシの身代りとして、ティーエはアドリエ王宮の人質になっていた。ティーエとの心の邂逅を拒み続けるアドリエ王イルアデル。〈魂の双児〉たる自らの“能力”に目覚めないイルアデルを、ティーエはただ静かに見守っていた。だが、兄イルアデルを無きものにしようとする妹姫マレシアーナの策謀が、一人の奴隷の少女アナイナを非業の死に陥れる。それはまた、ティーエにとっても辛く悲しい一夜の始まりであった…。国を上げての祭典“海の大祭”を目前に、アドリエの王宮は波乱の予感に揺れ動く。―超人気シリーズ、待望の第7巻。