言葉にできない不安が、盗賊少女ミレルの胸を締めつけていた。メリッサに次いで、ジーニまでもが、リウイを認めたのだ。だが彼女には、自称魔法戦士のことを認めるべき理由は何もない。いつの間にか、自分一人だけが浮いていることに気づき悩むミレル。そんな彼女に盗賊ギルドから呼び出しがかかった。出頭したミレルを待っていたのは、副頭領マズルの「俺の情婦になれ」という、思いもかけぬ言葉。動揺したミレルは思わず、自分は冒険仲間であるリウイの恋人だと答えてしまう。その夜、自分の言葉を事実にするため、リウイの部屋に押しかけるミレルだった。大好評アレクラスト・サーガ、第5弾。