健一はベッドの上で涙を流した。「うう…」――なんで、こんなことになったんだろう。もう一度、思い返す。綾との時も同じように自分は泣いていた。千夜子の真剣な告白の後にそんなことになってしまったことを悔いていた。そういえば、冴子の時はどうだっただろうか? 姉のホタルの時は? 自分は、これからどこに向かって進んでいくのだろう? 普通の高校生・健一は、いきがかり上、シーナ&バケッツというユニットでハーモニカを担当することに。彼は謎の少女・シーナとともに、街でちょっと有名なストリートミュージシャンになっていく……。そして近づく夏祭り。ロックのビートと祭りの熱にのみ込まれるように、うなされるように。健一の夏休みはさらに混沌としていく。時に可笑しく、時に切なく描かれる健一の恋愛を探求する物語、第五弾!