“10年で2人に1人” の再発を起こさないために
ある日突然起こり、生活を一変させてしまう脳梗塞。治療法の進歩により自立した生活を取り戻せる人が増えたが、再発の可能性は10年で半数以上とかなり高い。初発は軽症でも再発は後遺症が悪化しやすく、寝たきり率も高くなるため、退院後どのような生活を送るかが本人と家族にとって「本当の勝負」といわれる。再発を予防するためには危険因子を把握し、生活改善の意識を高めることが欠かせない。本誌では、脳梗塞を経験した人やその家族が抱える疑問や不安に専門医が答え、「再発を見逃さないチェック法」や血栓を防ぐ「薬物療法」「生活改善法」「自宅でできるリハビリ」などを紹介。二度目を起こさないためにできることをわかりやすく伝える。
プロローグ
知って備える! 再発のサイン/「FAST」ですぐに確認・行動を!
第1章 脳梗塞の怖さは「再発」にある
脳梗塞で見られる“再発ドミノ”/再発を繰り返すと寝たきりになりやすい
危険因子が血管を詰まらせる原因に ほか
再発予防の習慣チェック!
第2章 退院後の不安を解消する
薬はずっとのみ続けなければいけないの?/専門医やかかりつけ医とどうつき合う?
6か月を過ぎたら元に戻らないの?/再発の危険は定期検査でわかるの?
自立できる環境づくりには何が必要?/脳梗塞が起こると認知症になるの?
周囲の人はどうサポートすればいい?/脳梗塞を発症するとうつ病になりやすい? ほか
第3章 血栓を予防する薬物療法と生活改善
血小板の働きを抑える「抗血小板薬」/心臓にできる血栓を予防する「抗凝固薬」
血圧を毎日測る習慣をつける/食事の塩分を見直そう/肥満改善で再発リスクを下げる
節酒を心がける/水分補給を心がけ、寒暖差に気をつける ほか
第4章 ひとりでできるリハビリ 体と心と脳の運動
上肢のリハビリ運動
ペットボトル運動/紙コップタワー
ページめくり/紙を折る/つまみ運動 ほか
下肢のリハビリ運動
スクワット/ヒールレイズ(かかと上げ)
もも上げ/ブリッジ(お尻上げ)/ゴムバンドトレーニング ほか
構音・嚥下のリハビリ
口・頬の運動/舌の運動
発声練習/のみ込み練習
脳を鍛える体操 好きな詩や本を音読する/小説や新聞を書き写す
間違い探し/計算チャレンジ/漢字ドリル
心のリハビリ サークルなどに参加する/カラオケを楽しむ/友人に会う