義理の家族にも、九十四番目の側妃として入った後宮でも虐げられていた令嬢・クラリーチェ。図書館で本を読むことだけを楽しみにひっそりと暮らす彼女に、ある日衝撃的な知らせがもたらされる。それはクラリーチェの『夫』である、好色王・フィリッポが亡くなったというもの。「これでようやく、後宮から解放されるわ――」国王崩御をきっかけに荒れる後宮でクラリーチェは安堵の表情を浮かべ、自らの人生を振り返っていた。脳裏に浮かぶのは、後宮入り前に出会った青年の存在。彼との再会を願うクラリーチェの前に、次代の王・エドアルドが現れて――? 再会から始まる溺愛物語、開幕! ※電子版は単行本をもとに編集しています。