京を揺るがす【光る魔物事件】を無事に解決した上に、天子をピンチから救ったため【北面武士(内裏を守る衛士)】の頭領となった主人公・高杉一郎太。仲間であり恋心を抱く少女・三好麗も記憶を取り戻し、再び行動を共にしていた。一行は、一郎太が現代に戻るための鍵を握る巫女“十六夜”の行方を探していたが、その行方をつかめず、無為な日々を送っていた。
そんな折、秀吉が全国に放つ忍びから「十六夜が、徳川家康の支配下の城──躑躅ヶ崎館に連れ込まれた」との情報を掴む。さらに躑躅ヶ崎館周辺では、【信玄の埋蔵金】に関するうわさ話もまことしやかに広がっていると言う……。
【信玄の埋蔵金】──かつて戦国最強と称された武将・武田信玄が「10年は戦える」と言い、遺したとされる軍資金。しかし実際は存在が確認されず、長年うわさ話とされてきた。
うわさ話の真偽を確かめるため、十六夜を探すために躑躅ヶ崎館へ向かう一郎太たち。しかしそこは、思惑と欲望が入り乱れる魔窟だった……。
【信玄の埋蔵金編 上巻】