壮絶な戦いの末に熊を封じたワーシャだったが、その代償はあまりに大きかった。故郷に居場所を失った彼女は、冬の王に与えられた馬を供に旅に出た。女のひとり旅は危険すぎるため、男を装っての道中、タタール人の盗賊にさらわれた少女たちを助けたことから、盗賊討伐に向かっていたモスクワ大公の一行に期せずして加わることになった。そこには、十年前に家を出た兄の姿が。勇敢で聡明なワーシャは大公に気に入られるが、恐れを知らぬ振舞いにより自ら窮地を招いてしまう……。運命に逆らい生きる少女の成長と戦いを描く、大好評三部作第二弾。