パンデミックで世界が混乱する中、筆者であるキャロル・トメは、約50万人の従業員を有する国際貨物サービスのユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)を率いることになった。貨物需要が急増する危機的な状況において彼女が下した決断とは、114年もの歴史を持つ企業において守るべき経営原則が何かを明らかにし、従業員の力を発揮するパーパスを策定し、戦略の優先順位を明確にしたことだった。顧客満足度と従業員エンゲージメントを高め業績を向上させた現職のCEOが、コロナ禍における1年余りの企業経営の舞台裏を明かす。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2022年3月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。