九死に一生を得た経験から、ハリィは神に仕える道を選んだ。国際奉仕プログラムの一環として母国アメリカからパリに派遣され、今は双子のポールとモニークに英語を教えている。ある日、双子に誘われて彼らのアパートメントに行ったところ、まだ十八歳のポールに突然指輪を渡され、プロポーズされた。ハリィが動転しているところへ、イギリスにいるはずの双子の父親が帰ってくる。「息子をたぶらかしてどうする気だ?」双子の父親ヴァンサンになじられ、ハリィは激しい反発を感じた。なんて猜疑心の強い人。私はもう誰とも結婚することはないのに。