「私たちに必要なのはヒーローです」K・Jは主張した。社の創立記念に催す、独身男性オークションについての会議だった。ここはロマンス小説を売っている会社だ。だからチャリティーに協力しようというお金持ちばかりではなく、魅力的な男性、本物のヒーローにも参加してもらうべきだ。「たとえば、こんな人かしら?」差し出された本に載っていたのは、億万長者の冒険家アレック・マッケンジーの精悍な写真だった。その瞬間、K・Jの息が止まった。そして彼への参加交渉は、当然のようにK・Jに任された。誰にも言えない――彼が私の音信不通の夫だなんて!■“オークションから始まる物語”――運命のいたずらにより、オークションで落札した人と熱い恋に落ちてしまったら?オークション会場での思いがけない夫との再会。ヒロインはいったいどんな行動を取ったのでしょうか。ご堪能ください。