あるパーティの席で、ドナはふと男性に呼びとめられた。振り向いた先に立っていたのは、テイト・ブリッジズ。かつて婚約までしながら別れた相手だ。相変わらず魅力的なテイトを前に狼狽していると、彼はある頼みを持ちかけてきた。どうやら彼の弟が暴行の容疑で捕まっているらしいのだが、テイトは弟が無実だと主張し、臨床心理士であるドナに、裁判の際に有利な鑑定を提出してほしいというのだ。不正を働くわけにはいかないと、ドナはきっぱり断った。そのとたん、テイトの目に危険な光が宿り……。■新人作家ロビン・グレイディの、日本デビュー作をお届けいたします。再会した昔の恋人から、金と権力をかさに脅されるはめになったドナ。いっそ憎めたらと思うものの、彼への熱い思いはいまも心に根づいていて……。一度壊れた愛の行く末は?