クリスマスを間近に控え、救急外来は大忙しだった。派遣看護師イモジェンはいきなりその渦中にほうりこまれた。救急外来の責任者は、テレビでも売れっ子の名医アンガス。あいにく妻と離婚寸前の彼は機嫌が悪く、そっけない。だが、生来陽気なイモジェンはめげずにてきぱきと働く。勤務が終わったとき、アンガスの心を占めていたのは
イモジェンの患者に対する深い思いやりや誠意だった。彼女ならきっと僕の気持ちをわかってくれる。アンガスは初めて苦しみを打ち明けられる女性に出会った気がした。
それがなにを意味するかを深く考えることなく……。