桜が散り、緑が芽吹き――やってくるのは、新しい季節。
旅立ちの――季節。
進級した奏太たちは、声優養成所のレッスンに通いつつ、音楽活動や受験勉強など、それぞれの目標へと取り組む日々を送っている。
中でもソラはその才能が評価され、プロへの道を着実に歩んでいた。
だがそれは、この町を――奏太たちのもとを離れることを意味する。
そして、ある雨の日――奏太はソラから自らの気持ちを伝えられる。
気付かぬふりで優しい嘘。けれどどうしても捨てきれないこの想い。
「“きみ”がどこにいてもこの声を届けよう。どこまでも――遠くに」
夢を諦めかけた少年と、夢に向かう少女たち。その声は、きっと――。