実業家のラフィクは、王位を継ぐ兄カリーフの戴冠式に出席するため、クセイ王国へ向かった。ラフィクは久しぶりに母親の暮らす宮殿を訪ねたが、そこで付添役の女性をひと目見て、驚きのあまり言葉を失った。いったいなぜ、セラがここにいるんだ?十一年前、ラフィクとセラは深く愛し合っていた。それなのに、彼が不在の間にセラは理由も告げず、さっさと別の男と結婚してしまったのだった。遠い記憶がよみがえり、ラフィクの胸に鋭い痛みが走った。彼女からの愛など欲してはいない……だが償いは必ずしてもらう。■シークたちの華麗な恋愛模様を描いたシリーズ〈シークの憂い〉の第3話です。十一年ぶりに再会したかつての恋人は、未亡人となっていて……。動揺するラフィクの身にさらなる事件が!