ジュエルはバカンスで訪れた小さな島で到着早々、ホテルに臨時雇いの仕事を見つけた。各地を転々としながら暮らす彼女にとって楽園のような島で旅の資金を稼げるのは、願ってもない幸運だ。夜になり、ジュエルがホテルのバーに入ろうか迷っていると、ハスキーな声の男性に話しかけられた。ゴージャスでパワフルで、なんて尊大……。二人は互いの名も知らぬまま、熱い一夜を過ごす。二日後、ジュエルはホテルオーナーのオフィスへと出勤した。開いた扉の奥に見えたのは彼女を官能の極みへと押しあげた、一昨日のあの男性の姿だった。★マヤ・バンクスが綴る、ギリシア人三兄弟の恋物語〈我が一族アネタキス〉の最終話をお届けします。一夜の情熱を共にした女性と思いもよらぬ形で再会した三男ピアズがとった行動は?★