イギリスの名家、バルフォア家の長女として父オスカーを助け、妹たちの面倒を見てきたオリビアには、災難としか思えなかった。家の恥を明るみに出した罰として父から厳命されたのは、この世の果てにも思えるオーストラリアで働くこと。しかも父と関係の深い大富豪、クリント・マカルパインの下で。“その高い象牙の塔から下りてこいよ、氷のプリンセス”以前、そう言って彼女の身分と態度を皮肉った無礼な男だ。空港に着いた彼女を待っていたのは、むせ返る暑さとクリント自身。前と違って無精髭にラフな格好の彼は、私とはますます異人種だわ!そう思った瞬間、急に頭と体に血が上り……オリビアは気を失った。■〈愛に戸惑う娘たち〉もついに最終話。ラストを飾るのは、なんとHQイマージュの人気作家です。先月発売の『地上のエデン』でもこの上ない実力を見せたM・ウェイが筆をふるいます。野性的なヒーローと極上の風景に、ヒロインとともに酔いしれてください。