バルフォア家の娘として何不自由なく暮らすカットは、大富豪の父から、地中海をクルーザーで旅したらどうかと言われた。喜んで提案を受け入れ、カットは豪華な船に乗りこんだ。ところが彼女を待っていたのは客としての待遇どころか、従業員用の小さな船室と、乗組員の食事の世話や掃除という労働。しかも船のオーナーは、昨年の慈善舞踏会の夜に出会い、親しくなりたいと願った彼女を軽蔑とともに拒絶した男性――スペインの実業家で元闘牛士のカルロス・ゲレロだった!そのうえこの旅は、娘の自立を願う父のさしがねだという。カルロスにこき使われ、再び屈辱を味わわされるなんて……。■名家バルフォアの八人の娘を描く〈愛に戸惑う娘たち〉第二作は、いま最も勢いのあるS・ケンドリックが執筆。気ままなお嬢様に見え、実は繊細で奥手なヒロインが魅力的です。ハーレクイン文庫より、著者の秀作『禁じられた追憶』も発売中。