大手広告会社の副社長フリン・マドックスは、ある日、とんでもないニュースを聞かされる。どうやら手違いで届けが提出されていなかったらしく、七年前に離婚したはずのルネと、いまだ婚姻関係にあるというのだ。しばし言葉を失ったのち、フリンは胸に芽生えた希望をかみしめた。仕事にかまけてばかりでルネに去られて以来、ずっと後悔してきた。これは僕に与えられた最後のチャンスかもしれない。すぐさまルネのもとへ向かったフリンは、そこで妻が子供を欲しがっていると知り、ある提案を持ちかけた――一度は離れていった、妻の心を取り戻すために。■愛と仕事に生きる人々を描いた〈ラブ&ビジネス〉。二話目は〈マドックス・コミュニケーションズ〉の副社長フリンの物語です。妻が精子バンクを使って子供を作ろうとしていると知ったフリンは……。