〈南境ノ乱〉で破壊された町の人々がやっとの思いで手に入れた平和は、カラマーハ帝軍の侵略、そして大旱魃で脆くも崩れ去った。今や頭領になったハマーヌは、人々を救うため禁断の術に手を染める。一方敵の陰謀を逆手に取り、帝家の玉座を乗っ取ったラクスミィだったが、国を潤す青河が涸れ始めていることに気づく。このままでは乳海が露わになり、丹の暴発が起きてしまう。それを回避するには、南境の民が命の糧とする砂漠の水を断たねばならない。それぞれの民の命と希望を背負った、ハマーヌとラクスミィの決断はいかに……。三部作完結。