東堂と刈部が経営する小さな釣具店《ラストホープ》に送られてきた一枚のファクス、それがすべての始まりだった。病床の父のために多摩川の山女魚を入手したいという依頼を受け、東堂は山女魚を釣り上げるが、その途端何者かに襲撃される。ふたりは依頼人の正体を調べ始めるが、《ラストホープ》にはまたしても同様の依頼を書いたファクスが届いた。困惑するふたりは、いつしか一億円争奪ゲームの真只中に――。〈最後の希望(ラストホープ)〉を売る店の、愉快な悪漢コンビが奮闘する長編クライム・コメディ。『石の中の蜘蛛』で日本推理作家協会賞を受賞した鬼才が放つ快作。