獣と絆を結ぶ〈気〉の力。遠見をし、遠くの仲間と意思を伝えあう〈技〉の力。デューティフル王子はそのどちらをも併せもっていた。だが同じく〈技〉をもっていた父ヴェリティはすでに亡く、六公国では穢れとして忌み嫌われる〈気〉をもつことは公にできない。そんな王子を導くことができるのは、同じくふたつの力をもち、ヴェリティから〈技〉の教えを受けたフィッツだけ。王妃やシェイドに乞われ、王子の教育を引き受けたフィッツ。だが意外なところに〈技〉をもつ人間がいたのだ。フィッツは彼を、王子の仲間として一緒に訓練しようと試みる。