豪奢な服に身を包み、黄金色の肌に黄金色の髪をした美しい若者。すっかり変わってはいたが、それは懐かしい道化だった。フィッツの祖父にあたる王に仕えていた不思議な白い道化。十五年のあいだに彼になにがあったのか。自らを白の予言者と称し、フィッツを“触媒”と呼ぶ道化の予言を証明するように、フィッツの周囲に変化の風が吹き荒れる。外諸島との和平のための結婚を目前に行方をくらました、若き王子の捜索に招喚されたのだ。黄金卿こと道化の従僕と偽ってのフィッツの探索行が始まる。公国の希望である王子を探し出すことができるのか。本格異世界ファンタジー!/解説=石堂藍