ソフトウェア開発を起源とするアジャイル手法が、組織やチームのマネジメントに活かされつつある。しかしながら、一貫した業務プロセスや効率性を重んじる伝統企業に対しては効果的でない場合がある。そこで筆者らは、アジャイル手法の原則と価値観を残したまま、確立されたプロセスを一時的に回避し、迅速かつ効果的に行動を起こし、成果を上げるアプローチを提案する。それが「アジリティハック」と呼ぶもので、ペプシコやゼネラル・エレクトリック、ノバルティス、ソニーグループなどのプロジェクトチームを事例に、官僚主義的なシステムを持つ伝統組織であっても即座に課題に取り組む方法を明らかにする。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2022年2月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。