あらすじ天慶8年(884年)、唐の蘇州に人語を解する黒猫がいた。蘇州の猫の王で、目標は「一生ぐうたら生活をすること」。ある日、商人につかまって日本へはこばれ、光孝天皇の第七皇子・定省に飼われることになる。「猫なんて好きじゃない。父に言われたから仕方なく飼っているだけ」と口では言う定省と、なぜかたまに、自分が追い詰められている四面楚歌のシーンを夢に見る唐の黒猫の、奇妙な日々が始まる。