リーリエ国騎士団元副団長のレシオンは国家連合に捕縛された。彼は反乱の首謀者がバルトラム国先王ウィクトルであること、同国の<鋼の城>には硬化銀製密造剣が隠されていると証言し、国家連合はバルトラム国への制裁を決める。リーリエ国内で制裁に向けた準備をすすめるニナは、とある地方競技会において、故郷であるツヴェルフ村の村長の娘・カミラに再会する。街騎士団員となっていたカミラに、制裁での助力を頼めるかと期待するニナだが、彼女は仲間から役立たず扱いを受けていた。そして、ツヴェルフ村に帰ったニナは、カミラが変われない己に鬱屈を抱えていたことを知る。そんな中、ツヴェルフ村は正体不明の賊に襲撃され、ニナとカミラは窮地に陥る。一方、王都ペルレでは、老齢のリーリエ国王オストカールが危篤に陥り、誰が王位を引き継ぐのか、王冠の行方が取りざたされていた。〈銀花の城〉で王子の役目をこなすリヒトは、王家の墓所にて花を供える兄宰相アルベルトと遭遇し、犬猿の仲である兄の意外な姿におどろく。さらに、父国王オストカールは死の間際、思いがけない言葉をリヒトに残していく。やがて北方地域の雪が溶けた春、国家連合軍はようやくバルトラム国への制裁に出陣する。しかしテララの丘ではレシオンが、反撃のために動き出していた――。