五ヶ月に及ぶ、ニナのキントハイト国への遊学の日々も、ついに終わろうとしていた。ニナが卒業演習でやったことは、結果として、キントハイト国の玉座を望む貴族同士の駆け引きに一石を投じることになってしまった。責任を感じるニナだが、ひょんなことから、狩猟祭での王太子への飛矢をめぐる“真実”に辿りつく。驚愕に値するその真実は、キントハイト王家に巣くう、イザークさえも飲み込む闇を知る呼び水となった。哀しい闇に触れたニナに、イザークは思わぬ提案をして……!? 一方、ニコラをこれ以上騎士団に置いておくわけにはいかないという団長ゼンメルに対し、リヒトはある覚悟を決めていた。それぞれが思惑を抱える中、12月、キントハイト国を舞台とする西方地域杯が迫っていた――!