「そんなに不安にさせてますか?」「っ、だって橘さん!」「何?」「私のこと抱かないじゃないですか!」言ってから“しまった”と思った。「ごめんなさい。忘れてください」橘さんは驚いた顔でゆっくり口を動かした。「……抱かれたかったんですか?」「……!」 今度は私の開いた口が塞がらない。「な……なんですかっ。その“意外”みたいな顔はっ……!」「わかりました。抱きます」「……えっ?」(この作品は『きみは面倒な婚約者 story1 ジョシィ文庫』および、ウェブ・マガジン「ジョシィ文庫 Vol.1」に収録されています。重複購入にご注意ください。)