姉の蒿雀(あおじ)に主の寵愛と屋敷での立場を奪われてしまった季暉(すえあき)に、追い打ちをかけるかのように、三刀田(みとうだ)と接する東の要・宮間砦への任が言い渡された。それは、主の傍にいつまでも季暉がいることを快く思わない姉の画策だった。「傍にいられずとも、武士として主にお支えする」と健気な心で宮間砦に旅立った季暉は村の者とうまくいかず、そこでも三刀田峻延(みとうだたかのぶ)の力を借りることになる。そんな中、主が多くの土地を求め相次いで戦を起こしていることに、同盟国からは不満の声が上がりはじめていた。そしてついに峻延が兵を挙げたと報せが届き、季暉の心は激しく乱れ……。美貌の武将の健気な純愛譚!(「哀花零乱第二話」はウェブ・マガジン小説花丸 Vol.50に収録されています。重複購入にご注意ください)