「なぁ、谷崎さん。俺達付き合おうぜ」新田にそう言われ、心をかき乱されてしまった谷崎。新田の言葉はもちろん信じられなかったが、一番信じられないのは、それを嬉しいと思ってしまった自分だった。何度でも会いに来ると言った通り、新田は頻繁に谷崎の目の前に現れるようになった。恋愛なんか一生しないと谷崎は思っていた。想い合う心がいかに脆いものか、谷崎はよく知っていたから。このままでは新田の気持ちにひきずられてしまうと感じ、谷崎は「僕に構わないで欲しい」ときっぱりと告げた。するとどうだろう、新田はぱたりと姿を見せなくなってしまって!?(「ガラス瓶の中の船3」はウェブ・マガジン小説花丸 Vol.44に収録されています。重複購入にご注意ください)