出自に隠し通さねばならない秘密がある香苗城主の生駒幸次は、自分は城主にふさわしくないと内心思い詰めているために、夜毎悪夢にうなされ続けていた。唯一の救いは、その秘密を共に抱えてくれる年上の筆頭家老・西尾正之の存在だった。「命尽きるまでお傍から離れず、あらゆる災厄からお護りすると誓います」という正之の言葉にすがり生きてくるしかなかった幸次は、次第に正之を失うことを激しく恐れるようになり……。(「紫陽花の城~偽りの主~3」はウェブ・マガジン小説花丸 Vol.21に収録されています。重複購入にご注意ください)